彼は仕事仲間である。私たちを繋ぐのは「奥多摩の観光」である。その彼が「犬の散歩コースですよ」というから登ってみることにした。ガイドブックには健脚向きだと書かれていた。彼はもともと口数が少ないから、疲れているのか話すことがないのかそれとも一歩一歩山を堪能しているのかわからなかったが、ともかく私にはお喋りする余裕がなかった。奥集落まで車を利用しただいぶ短いコースだが、なかなか急な登りである。彼の云うように犬の散歩コースなら一体何犬の散歩なのだろうかとか、椎茸の榾木(ほたぎ)が置いてあるからもしかしたら松茸もあるかもとか、毎度山へ行くと思うけど熊だけは勘弁とか、そんなことを考えているうちに2時間で山頂に着く。
山頂での天候は今一つ。本来拝めるはずの富士山も大菩薩連嶺も南アルプスも、今回はお預けである。そして、寒い。数ヵ月ザックの中で出番を待っていた(おニューの)雨具の登場だ。
7月中旬の奥多摩登山でもなにかと侮れないと学べただけで、今回は山に登った意味がある。ここには書かないが、鷹ノ巣山は「山の魅力」がギッシリ。ちなみに松茸ではない。登った人だけのご褒美で秘密にしておこう(長くなりそうだし)。眺望を含め、感動してきてください。
やはぎくん、今回も大変お世話になりました。また山登りしましょう!
荒澤屋、あかべこ