「あのう、私…お客さんじゃなくて申し訳ないのですが…」
聞くと、流しのマジシャンだという。自分の紹介だと、新聞の切り抜きを手渡してきた。あかべこの中で手品を披露したいという。上野公園あたりで、通りすがりにやってるあれとはわけがちがう。芸風もお捻りも、お客さまにとって負担に感じるかもしれない。店の端で流れる音楽なら、好みでなければ無視もできるが、テーブルロックオンの手品ともなるとお客さまの承諾もいただきたい。常連のT先生にいきさつを話すと「今、(一緒に来ている)みどりちゃんの話がすごく面白いから、それより面白くなかったら見ないよ」。ということで交渉成立。

ネタバレを期待する一同。これで食べている以上、そのようなことはない(と思う)。

流しの登場は珍しい、というかお初だったので、東京で一番西の奥多摩までこういう人が来るんだと正直驚きました。蔵戸の門番がおりますが…勇気あるパフォーマーはぜひどうぞ!
荒澤屋、あかべこ